炎症と不安とは?:早起き213日目
こんにちは。
早起きチャレンジ中のなおです。
すっかり間が空きましたが、先日からの読書解説の続きです。
ちょっと長いですが、興味ある方はお付き合いください^ ^
最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
- 作者: 鈴木祐
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2018/07/13
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こちらの本について私なりの解説を。
ちなみに、アフィリとか全然してませんので宣伝では全くないです。
前回の第1章わたしなり解説はこちらから。
http://nao-333.hatenadiary.jp/entry/2018/08/11/212825
では、第2章は「炎症と不安」
近代病を大きな二つの要素に分類したのがこの炎症と不安でした。
この二つが、今の現代人のパフォーマンスを低下させているのですが
一見バラバラに見える両者は、実はお互いに影響しあって負のスパイラルにマハってしまいます。
この負のスパイラルを断ち切らない限り、なんか疲れやすいとか、なんかやる気でないとかそんなモチベーションでしかいられなくなります。
断ち切れるのは自分自身でしかないということでした。
いつか誰かが救いの手をさしのべてくれて
やる気スイッチを押してくれることなんてないんですね。
つい、他力を期待してしまう私ですが
やっぱり自分しか自分を変えられる人はいないということで…
いい加減そこに気づかなければいけないってことですね。
さて、ではそれぞれ炎症と不安について詳しく見ていきますが
まず炎症とは、転んでひざを擦りむけば
怪我をした部分がジクジクしてきます。
軽い痛みと、皮膚は赤く腫れあがったりしますよね。
これが炎症。
炎症反応は、身体がダメージを受けた時に起きて、それが起こると
免疫システムが作動し、怪我を修復するために働きだします。
ですから、炎症反応が起こらなければ免疫システムが作動しないので
炎症反応は生きていくためには必要なシステムです。
怪我してジクジクさせないと、修復作業に掛かってくれないってわけなんですね。
それでここでの問題は、炎症は体の表面だけに起こる現象ではないこと言うこと。
アレルギーなどの場合は、異物が体内に入ってくれば免疫システムが作動します。
目の充血や鼻づまりなど炎症反応が起きた状態です。
風邪も同じように、免疫システムが作動し発熱や鼻水など諸症状が起こります。
これらは分かりやすい炎症反応ですが
現代人のパフォーマンス低下の炎症はもっと分かりにくい形でおこるそうです。
例えば内臓脂肪。
これは体にとって異物と認識してしまいます。
そのため、内臓脂肪が増えると免疫システムが作動します。
しかし、いくら免疫システムが頑張っても、この内臓脂肪は食事制限や運動でしかなくすことができません。
と言うことは、エンドレスで免疫システムが作動しっぱしに状態になります。
内臓脂肪が減らない限り身体は燃え続け、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になってしまうのがメタボリックシンドロームの発症プロセスのようです。
こういう炎症は、アレルギーや風邪と違って分かりやすい症状がでないため
なんか調子悪いという、謎の体調不良として自覚されることがほとんど。
こうやって原因に気づけないまま、炎症の導火線は少しづつ爆発へのカウントダウンを続けています。
2017年カロリンスカ研究所が行った調査では、約5万人のスウェーデン人男性を集め
健康状態について尋ね、その後、尋ねた被験者の炎症マーカーを調べたところ
結果は、体調が悪いと答えた人ほど、体内の炎症レベルが高かったのだそう。
ということは、やはり調子の悪さと炎症は関係しているということのようです。
うつ病についても近年認識が変わってきているそうで
以前は、ホルモンバランスの崩れであるという視点から治療が進んでいたため
セロトニンやドーパミンのバランスを調整する薬を処方されていました。
しかし、それでは改善されないケースが増え
うつ病の人と炎症の関係を研究され始めているそうです。
ではこの炎症をどうにかする手立てとして
進化医学としての考え方で、狩猟採取民だったころとの比較が出てきます。
現代人と狩猟民族との生活の違いを分かりやすくフレームワークにしたのがこちら。
ハーバード大学の古代人類学者ダニエル・リーバーマン氏が提唱しました。
多すぎる:古代にはなかったものが、現代では豊富すぎる
少なすぎる:古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる
新しすぎる:古代には存在していなかったが、近代になって現われた
まず、多すぎるのはカロリー。
第一章のところでも触れていましたが、元々高カロリーを欲する脳に進化している私たちにとって食料が豊富すぎることはネックになってきそうです。
次に、少なすぎるのは、睡眠。
古代の平均睡眠時間は6.9~8.5時間。現代人は圧倒的に少ない傾向にあるうえに
質についても考え直した方が良さそうです。
最後に新しすぎるは、トランス脂肪酸。
これは、人間が作り出した人工の油。
取り扱いが楽で安価なのが世の中に広まった原因のようですが
いまでは専門家は誰もが体に有害であると言っているそうです。
他にも、新しすぎることに、孤独。
これも、古代では集団生活をしていたため
考えられない感覚のようです。
それぞれ3つの過ぎることについて、改めていくことが
炎症を起こしにくい体にするヒントになりそうかなと思えます。
では、最後に不安について。
不安には、「はっきりした不安」と「ぼんやりした不安」があります。
古代の時代では、今日をどう生き延びるかと言う価値観の元に生活していました。
例えば、目の前に倒せそうもない獣が現れれば、極度の不安状態の中で、逃げるか、戦うかの選択肢しかなく、どうすればいいのかが分かりやすい状況でした。
このように、とりあえず目の前の不安なことをどうするべきは分かりやすいものが、はっきりした不安。
元々人間は今現在のことを処理する能力が強く、はっきりとした不安には対処しやすいようです。
しかし、農耕を始め収穫までの長い期間を考え計画しなくてはいけなくなってから
バランスは変わりました。
元々人間は今のこと考えることに長けていたわけですから、未来のことを考えることが苦手。
解決しにくい不安は、不安のまま心の中にのこり、だんだんと何に不安を抱えているのかさえ分からない状態になってしまいます。
これが、ぼんやりとした不安です。
私もソワソワするとか、不安感を感じることがありますが、確かに何に不安を感じてるかどうかよく分からずにいます。
現代はこのぼんやり不安がほとんどで、未来への感覚が、遠いと考える人の方が
より、不安は感じやすいってことでした。
未来への感覚とは、時間割引率でも表現され
例えば、今1万円もらえるのと、一年後に1万1,000円もらえるのとどっちがいい?と聞いた時に、今と答えた人は一年後の1,000円は損してしまう訳です。こう言う人は、今を大事に生きていると言えますが、時間割引率が高く短絡的とも言えます。
時間割引率について色々紹介されていますが詳しくはこちら。
こんな風に、未来に対して遠いと感じている人の方が不安を抱きやすいみたいです。
不安は誰もが持つ感情ですが
見えない遠い未来を思い悩んでも仕方がないわけです。
しかし、人はそうなりがちですし
その不安がいっぱいになると、体内で炎症が起こるという
負のスパイラルに陥ることになってしまいます。
冒頭でも書きましたが
これを断ち切るのは自分自身。
結局は自分で何かしら働きかけるしかないということです。
まずは、炎症や不安が起こって当たり前ではなくて
起こさないようにできるものであると言う認識が必要かなと思います。
では、次回第3章では具体的に、どうしたら炎症や不安が抑えられるのかを見ていきたいと思います。